家の近所の行きつけの居酒屋で、酒を飲んでいる。居酒屋に行くくせに、いつも酒を飲まず、律儀に水だ。だが、今日は酒。いろんなことを思いだしながら飲む酒。いまあなたは、何をしているのだろう。

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高橋さんのことを最近よく思い出す。
高橋さん。下の名前は知らない。出会い系サイトで知り合った人だ。私が出会い系サイトで援交の募集をかけたときに応募してきた人だ。たかはしさんと会う話は進んでいったけど、当時うつ病(もしくは統合失調症)の症状がひどかった私はちょくちょく人がいるところで具合悪くなり、たかはしさんと会う約束をしたときも具合悪くなった。川崎で待ち合わせをしたんだけど。でも、たかはしさんは、一目でもいいから会いたい、と言ってくださって、結局会うことになった。精神薬を流し込み、たかはしさんが来るのを待つ。きた。…50代くらいの『おじさん』だった。でも人が良さそう。とりあえずラブホに向かう。部屋に入ったらなんとなく自己紹介をし、バスタブに湯を張り、溜まったら一緒に風呂に入り、出たらベッドで事を致す。こうしてたかはしさんとの関係は始まった。

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たかはしさんは、一回につき3万円をわたしてくれた。当時のわたしは高校生だったし、誰に対しても3万円で対応していたが、たかはしさんは値切ることなく毎回事を始める前に三万円渡してくれた。話していても無理なことをしようともしないし無駄に否定したりもしない、なによりも『シグさんのことが好きだから』といつも言ってくれた。そんなたかはしさんにだんだんと信用を寄せるようになった。金が条件の関係だったけど。

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たかはさんに抱かれることによって、何処か『自信』や『優越感』を持つようになった。