絵本下書き
あるところに、こけしちゃんという女の子がいました。
でもこけしちゃんは困っていました。
「わたしってへんなのかな…」
こけしちゃんはちょっと他の人と違うところがありました。
それは…
自分を傷つけたくなったり、他人を傷つけたくなったりしたくなってしまう気持ちがあるところでした。
こけしちゃんは、自分の腕を切ってしまったり、他の子のことを殴ってしまったり刺してしまったり、してしまうことがありました。
でも、他の人でそういうことをする人がいるなんて、こけしちゃんは聞いたことも見たこともありません。
「やっぱりわたしっておかしいのかな…」
こけしちゃんのこころはもやもやしました。
こけしちゃんの腕には、だんだんと傷が増えていきました。最初は数本だったのに、何年も経つと、数十本となり、腕にはたくさんの傷ができてしまいました。
でも、こけしちゃんは満足していました。でもなぜ満足するのか、その心意はわかっていませんでした。なぜなんだろう…なぜなんだろう。
切った傷から出てくる血、徐々に傷が治っていき、痕が残る。こけしちゃんはそれを見るのが楽しみで、好きでした。
前に切ったときの傷を、ふとしたときに見ると、なんだかホッとしました。
やっぱりちょっと、自分は変わっているのだとこけしちゃんは思いました。
続く。